文型とは
文型とは主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)の5パターンの組み合わせのことです。
これら<S・V・O・C>に加えて修飾語句(M)も大切な要素です。ただし<M>は文型の種類には一切影響しません。<M>が活躍するのは文型を見分けるときです。
さて、まずは基本5文型の一覧表を確認します。今は細かい意味はわからなくてだいじょうぶです。
基本的にほとんどの英文は上図の5つの文型のいずれかに当てはまります。そのため、文型を理解するとリーディング(英文読解)で大きな威力を発揮します。
また文型がわからないと理解できない英文法が山ほどあります。特に、不定詞/分詞/関係詞(関係代名詞)の理解には文型の知識が必要不可欠です。
さて本題に戻ります。ここからは上図の第1文型~第5文型を順にご紹介していきます。特に第5文型の解説には力を入れました。英文を読み書きする上で非常に役立つからです。
文型の解説にあたって
ここからは、基本的に主語のことを<S>、動詞のことを<V>、目的語のことを<O>、補語のことを<C>、修飾語句のことを<M>と表記します。
ただし、途中で対応する記号を忘れてしまっても大丈夫なように適時、主語(S)などと表記するようにします。
第1文型(S+V)
第1文型は主語(S)と動詞(V)しかないシンプルな文型です。重要なのは第1文型の<V>は必ず自動詞になることです。自動詞とは文がそこで終わってもいい動詞であり、より正確には目的語(O)を必要としない動詞のことです(例live, go, sleep)。
では早速、第1文型の例文を確認していきましょう。
鳥は飛ぶ。
Birdsが<S>でflyが<V>です。<S>と<V>だけでできているので第1文型だとわかります。
しかし、このように2語だけでできている第1文型の英文はまれで、大抵は修飾語句(M)をともなって<S+V+M>の形になります。
彼女は昨夜よく眠った。
【語句】slept(sleepの過去形)
Sheが<S>でsleptが<V>です。wellとlast nightは副詞(M)なので文の要素(S・V・O・C)にはなれません。副詞に出会ったら全て<M>だと思って下さい。
従ってこの例文は<S+V+M>の形をした典型的な第1文型です。実際、「She(S)」と「slept(V)」以外は全部<M>ですね。
第1文型の見分け方
第1文型を見分けるのは比較的簡単です。強いて見分けようとしなくても少し文型に慣れてくれば第1文型で迷うことはほとんどなくなります。
あえて判別法をまとめると下記の2点が第1文型の特徴と言えます。
- 動詞(V)が自動詞である
- 主語(S)+動詞(V)+修飾語句(M)の形をしている
続いて、第2文型の解説に移ります。
第2文型(S+V+C)
第2文型は<SVC>です。<C>は補語でしたね。補語とは主語が「何であるか」・「どんな状態であるか」を説明する要素です。そして補語になることができるのは名詞と形容詞の2つだけです。
補語(C)は主語の情報を補足して説明するので、第2文型では必ず
S = C
が成り立ちます。これは超重要ポイントです!
例えば、「She is happy.」は第2文型なので「She = happy」が成り立ちます(happyが補語)。
このように「S = C」がいつでも成り立つという法則を利用すれば簡単に他の文型と第2文型を見分けることができます。
彼女はとても魅力的だ。
【語句】charming(魅力的な)
Sheが<S>でcharming(魅力的)が<C>です。そのため「彼女=魅力的」という関係が成り立ちます。ちなみに「very」は副詞なので<M>です。
また、100%確実というわけではありませんが、この例文のようにbe動詞を使った文の多くは第2文型です。
彼は医者になった。
この例文も一目見て、第2文型だと判別できます。「彼=医者」だからです。つまりHeが<S>で、a doctorが<C>です。「S=C」の法則ですね。
この庭の花は良い香りがする。
These flowersが<S>、smellが<V>、sweetが<C>です。このsweetは「甘い」ではなく「香りが良い」という意味の形容詞です。「S=C」なので、「花=香りが良い」の関係ですね。
この例文のポイントは「in this garden」が<M>になることです。例外もあるのですが基本的に「in this garden」のような前置詞+名詞の形を見たら<M>と考えて下さい。
ポイント「前置詞+名詞」=<M>第2文型の見分け方
第2文型の見分け方は「S=C」になるかどうかを調べることです。例えばkeepは全ての文型で用いられる動詞です。では、次の例文は第何文型でしょうか?
私はそのとき黙ったままだった。
【語句】silent(黙っている)
「then(そのとき)」は<M>なので無視します。kept(keepの過去形)からは文型の判別はできないので、残った「I」と「silent」の関係を考えます。
すると「私=黙っている」が成り立つので、この例文は<SVC>の第2文型だと判断することができます。
第2文型で頻出の動詞一覧
もう1つの見分け方は第2文型でよく使われる動詞を確認しておくことです。下記に一覧を示します。
- become(~になる)
- get(~になる)
- come(~になる)
- keep(~のままである)
- remain(~のままである)
- look(~のように見える)
- seem(~のように見える)
- taste(~の味がする)
- smell(~の匂いがする)
- sound(~に聞こえる)
- feel(~に感じる)
- stand(~の状態で立っている)
- sit(~の状態で座っている)
彼女は本を読みながら座っていた。
ただし、上記の動詞を覚えるにこしたことはありませんが、忘れてしまってもなんとかなります。例えばこの例文でsitが「~の状態で座っている」という第2文型でよく使われる動詞だと知らなくても文型を見分けることはできます。
つまり「S=C」を使えばいいのです。「彼女=本を読んでいる」という関係を確認すればこの例文は第2文型だとわかります。
ポイント第2文型を見分ける最大のコツは「S=C」かどうかを調べること!第3文型(S+V+O)
第3文型は<SVO>で<O>は目的語です。目的語(O)とは簡単に言えば「~に」/「~を」と訳せるもののことです(例外あり)。また、目的語になれる品詞は名詞だけです。
第3文型のポイントは<V>が必ず他動詞になることです。他動詞とは目的語を必ず必要とする動詞のことです。
私たちはその問題について話し合った。
【語句】discuss(~について話し合う)
discussが<V>で、the problemが<O>です。<SVO>の第3文型ですね。
さて、第2文型では<SVC>の<C>に名詞がくることもありました。そして「S=C」が必ず成り立つのでしたね。
一方、第3文型でも<SVO>の<O>には名詞がきます。しかし第3文型では必ず「S≠O」が成り立ちます。
その新しいドレスは彼女に似合う。
becomeは第2文型でも第3文型でも用いられる動詞です。そのためこの例文の文型を見分けるには、動詞に頼るのではなく「The new dress」と「her」の関係を調べる必要があります。
すると、「ドレス≠彼女」なので「S≠O」であり、このことから、この例文は第3文型だと判別できます。
ポイント第3文型<SVO>では必ず「S≠O」!この例文の「become」は「~に似合う」という意味の他動詞で<O>はherです。つまり「(ドレスが)彼女に似合う」という意味になりますね。
第4文型(S+V+O1+O2)
第4文型は<SVOO>です。目的語が2つあって紛らわしいので、1つ目の目的語をO1、2つ目の目的語をO2と区別すると便利です。つまり第4文型をS+V+O1+O2と表すわけです。
第4文型は基本的に「O1にO2を与える」という意味になります。これはどんな動詞にも言えることです。動詞の種類にかかわらず、第4文型というだけで、多くの場合「O1にO2を与える」という意味になるんです(ただし例外もあり)。
ですから、英語長文なんかで、動詞の意味がわからなくても第4文型の形をしていれば、とりあえず「与える」と訳しておけば8割くらいはなんとか意味が通じます。
さて、ここからは第4文型の例文を確認していきましょう。
彼女は息子に本を与えた。
her sonが<O1>、the bookが<O2>です。「give」は第4文型の代表的な動詞です。
飲みすぎは身体に悪いですよ。
【語句】harm(害), too much drinking(飲みすぎ)
youが<O1>、harmが<O2>です。
第4文型の場合、動詞の種類にかかわらず基本的には「O1にO2を与える」と訳しておけば8割方なんとか意味が通じるというお話をしました。
そのためこの例文のdoの意味がわからなくても「O1にO2を与える」と訳せばなんとかなります。
実際に試してみると「飲みすぎはあなたに害を与える」となり文意が通じます。もちろん例外は少なからずあるのですが、このやり方は、知らない英単語に出会ったときに、とても有効です。
ちなみにこの例文の日本語訳は「飲みすぎはあなたに害を与える」→「飲みすぎは身体に悪いですよ」です。
さて下記に第4文型になる代表的な動詞を列挙します。
第4文型を導く代表的な動詞一覧
- give(与える)
- lend(貸す)
- send(送る)
- show(見せる)
- teach(教える)
- tell(伝える)
- buy(買う)
- cook(料理する)
- make(作る)
- do([利益・害などを]与える)
第4文型で「奪う系」の意味になる重要動詞
takeやcostなどは例外的に第4文型でも「奪う系」の意味になります。「奪う系」の意味になる重要動詞については「【第4文型(SVOO)】奪う系の動詞一覧と例文5選|take,cost等」で詳しく解説しているので、あわせて参考にして頂ければ幸いです。
第5文型(SVOC)
第5文型は<SVOC>です。第2文型(SVC)では、補語は主語の情報を補足的に説明しました。そして「S=C」になるのでした。
これに対して第5文型の補語(C)は目的語(O)が「何であるか」/「どんな状態であるか」を説明します。
そのため第5文型では、
O=C
の関係が成り立ちます。
ポイント第5文型<SVOC>では「O=C」!その手紙は彼女を幸せにした。
makeは第5文型を代表する動詞です。「make」というと「作る」という意味が有名ですが第5文型ではmake O Cで「OをCにする」という意味を表します。
この例文の場合、herが<O>、happyが<C>なので「[彼女=幸せ]という状態にする」→「彼女を幸せにする」という意味になります。
この例文では「make」の用法も重要ですが、その何倍も「O=C」であること、つまり「her=happy」であることが大切です!
第5文型に慣れるために、もう1つ例文を見てみましょう。
ジェーンはドアを開けたままにした。
leave O Cは「OをCのままにする」という意味です。the doorが<O>、openが<C>なので「ドアを開けたままにする」という意味になりますね。もちろん「the door=open」の関係です。
補足この例文のopenは動詞ではなく「開いた」を意味する形容詞!第5文型の見分け方
第5文型の一番ベーシックな形は<V>の後に
- 名詞+形容詞
- 名詞+名詞
がきているパターンです。
そしてこのとき、
- 名詞=形容詞
- 名詞=名詞
になっていれば確実に第5文型です。
この法則を例文で確認してみましょう。
私たちはその犬にポチという名前をつけた。
この例文は<V>+名詞+名詞の語順になっています。ここで、「名詞=名詞」になっていれば第5文型だと判別できます。確認してみると「the dog=Pochi」と「O=C」が成り立つので、第5文型だとわかります。
第5文型の本当の意味
実は「O=C」は半分嘘なんです。
確かに第5文型では「O=C」になることが多いのですが、本当は<O>と<C>の関係は
「主語/述語」関係
なんです。
「主語/述語」関係とは、
- AがBだ
- AはBだ
という関係のことです。
どういうことかというと、例えば先ほど紹介した「Jane left the door open.」の「ドア」と「開いている」の関係は、「ドア=開いている」というよりむしろ、「ドアが開いている」という「主語/述語」関係なのです(「AがBだ」の関係)。
「We named the dog Pochi.」も「犬=ポチ」というよりむしろ「その犬はポチだ」なのです(「AはBだ」の関係)。
このことをさらに理解するためにいくつか例文を確認してみましょう。
第5文型と「主語/述語」関係の例文
<O>と<C>の間に「主語/述語」関係があるという知識がないと理解できない英文が山のようにあるからです。
彼女はジョンは信頼できる人だと思った。
【語句】consider(OがCだと思う), reliable(信頼できる)
Johnが<O>で、a reliable manが<C>です。
まだこの例文の場合は「ジョン=信頼できる人」が成り立つのでやさしいのですが、第5文型には「O=C」が成り立たないパターンもかなりたくさんあるんです。
ですから今のうちから「O=C」を使って訳を取るのではなく「主語/述語」関係を意識して意味を読み取るようにしましょう。
この例文の<O>と<C>の関係は「ジョンは信頼できる人だ」という「主語/述語」関係です。
補足「主語/述語」関係=「AがBだ」or「AはBだ」次の例文に進みます。
私は彼女が英語を学ぶのを手伝った。
herが<O>、to learn Englishが<C>です。<O>と<C>の間には「彼女が英語を学ぶ」という「主語/述語」関係があります。
つまり、helpは「助ける/手伝う」ですから、「彼女が英語を学ぶ」を「手伝った」→「彼女が英語を学ぶことを手伝った」という意味になります。
このように第5文型の本質は「OとCの間に主語/述語の関係があること」なのです。
また、参考までに第5文型を導く主な動詞の一覧を下記に記載しておきます。
第5文型で頻出の動詞一覧
- make(OをCにする)
- get(OをCにする)
- keep(OをCのままにしておく)
- leave(OをCのままにしておく)
- name(OにCと名付ける)
- call(OをCと呼ぶ)
- choose(OをCに選ぶ)
- elect(OをCに選ぶ)
- appoint(OをCに任命する)
- think(OをCだと思う)
- suppose(OをCだと思う)
- consider(OをCだと考える)
- find(OがCだとわかる)
- believe(OがCだと信じる)
参考例文
あなたは自室をいつも綺麗にしておかなければいけません。
your roomが<O>、clean(清潔な)が<C>です。<O>と<C>の間には「あなたの部屋が清潔だ」という「主語/述語」関係が成り立っています。
練習問題-厳選5題-
ここまで学習してきた「文型」の知識をさらに深く理解するために練習問題を厳選して5題用意しました。余裕のある方は是非、チャレンジしてみて下さい。
なお「+解答解説」ボタンを押すと詳しい解説と答えを確認することができます。
1.次の英文は第何文型?
The extra room proved very useful.
【語句】prove(判明する,わかる)
2.次の英文は第何文型?
Her dreams have come true.
3.次の英文は第何文型?
I found her a job in Japan.
4.次の英文は第何文型?
You will find this book interesting.
5.次の英文は第何文型?
I wanted Sandy to come.
ポイントまとめ
- 第1文型は<SV>で<SVM>の形が多く、<V>は必ず自動詞!
- 第2文型は<SVC>で「S=C」!
- 第3文型は<SVO>で<O>が必ず名詞で「S≠O」!
- 第4文型は<SVO1O2>で原則「O1にO2を与える」の意味!
- 第5文型は<SVOC>で<O>と<C>の間には「AがBだ」/「AはBだ」という「主語/述語」関係がある!
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