英語の分詞とは?現在分詞と過去分詞の違いを基礎から徹底解説!

過去分詞から前から名詞を修飾している様子 分詞

はじめに

  • 「英語の分詞がわからない」
  • 「現在分詞になるときと過去分詞になるときの違いがわからない」

と感じていませんか?

この記事を読み終わるころには、分詞が面白いほど理解できるようになっています。現在分詞と過去分詞の使い分けもバッチリです。

塾講師や家庭教師の経験を元に42冊の英文法の参考書を比較研究しました。

大学入試・TOEIC・英検の文法問題対策として是非参考にしてみて下さい!

分詞とは

分詞には現在分詞過去分詞の2つがあります。まずこの2つの意味を確認するところからはじめましょう。

現在分詞とは

現在分詞は~ingの形をしていて、動名詞と見かけは同じですが、~ingで形容詞の働きをします。そして以下の2つの意味を表します。

  • 能動~する
  • 進行~している

さっそく、例文で具体的な意味を確認してみましょう!

(例文1)The sleeping dog is very cute.(眠っている犬はとてもかわいい)

現在分詞のsleepingが「眠っている」という能動/進行の意味を表し、名詞のdogを修飾しています。そして、現在分詞が単独で名詞を修飾する場合は、sleeping dogのように前から修飾します。

現在分詞が単独で前から名詞を修飾している様子

(例文2)Look at the girl running over there.(向こうを走っている少女を見て下さい)

一方、現在分詞が修飾語句を伴って複数の語のカタマリになるときは、the girl running over thereのように後ろから名詞を修飾します。

複数の語からなる現在分詞が名詞を後ろから修飾している様子

この例文でも現在分詞は能動/進行の意味で「~する/~している」という形容詞の働きをしています。

続いて過去分詞の解説に移ります。

過去分詞とは

過去分詞とはwrite-wrote-writtenの最後のように、動詞の変化の3番目のことです。つまり、この場合、writtenが過去分詞です。参考書なんかでは過去分詞のことをp.p.という記号で表すことが多いですね。

参考p.p.は「past participle(過去分詞)」の略!

さて、過去分詞も現在分詞と同様に、形容詞の役割をします。そして過去分詞の意味は以下の2つです。

  • 受動~される
  • 完了~した

さっそく例文で意味を確認してみましょう。

(例文1)There was a broken car on the road.(道に壊れた車があった)

過去分詞の場合も単独のときは(例文1)のように、名詞を前から修飾します。(例文1)ではbrokenが受動/完了の意味で「~される/~した」という形容詞の役割をしていますね。a broken carで「壊れた車」です。

過去分詞から前から名詞を修飾している様子

では、なぜbreaking carではいけないのでしょうか?なぜbroken carなのでしょうか?-それは「車が壊される」という受動関係になっているからです。

つまり、brokenとcarの間には、The car is broken.という受動態の関係が成り立っているのです。

さて、過去分詞の場合も修飾語句を伴って複数の語のカタマリになるときは名詞を後ろから修飾します。

(例文2)I received a letter written in English.(私は英語で書かれた手紙を受け取った)

名詞のa letterをwritten in English(英語で書かれた)が後ろから修飾しています。

過去分詞が修飾語句を伴い名詞を後ろから修飾している様子

「英語で書かれた手紙」という日本語からもわかるとおり、この例文でもa letterとwritten in Englishの間には、A letter is written in English.という「受動関係」が成立しています。

分詞が補語になる場合

分詞は形容詞なので第2文型(SVC)と第5文型(SVOC)で補語(C)になることができます。

なお、このあたりの解説がよくわからない場合、基本5文型の知識が不足していますので、先に「英語の基本5文型が17の図解でわかる!見分け方も解説」という記事を読むことをおすすめします。基本5文型がわかると英語力が飛躍的に高まるからです。

さて、では分詞が補語になる場合の例文を確認していきましょう。

第2文型の例文

(例文1)A cat came running to me.(猫が私の方に駆け寄ってきた)

cameが自動詞(目的語をとらない動詞)で現在分詞のrunning to meが補語です。この様子を図解すると下図のようになります。

第3文型の補語になる現在分詞の構文図

第2文型の場合、SとVの間にはS is Cの関係が成り立ちます。つまりA cat is running.の能動関係です。

(例文2)The shop remained closed for a week.(その店は一週間ずっと閉まっていた)

remainedが自動詞で、過去分詞のclosedが補語です。図解すると下図のようになります。

第3文型の補語になる過去分詞の構文図

(例文2)も第2文型なのでS is Cの関係が成り立ちます。つまりThe shop is closed.という受動関係です。

第5文型の例文

(例文)I have to get this homework done by next week.(私は来週までにこの宿題を仕上げなくてはならない)

get O Cで「OをCにする」という意味です。this homeworkがOで、過去分詞のdoneがCです。OとCの間には主語/述語関係があり、This home work is done.という受動関係が成り立っています。

第5文型の補語になる過去分詞の構文図

現在分詞と過去分詞の見分け方

現在分詞と過去分詞を見分けるには能動関係なのか受動関係なのかを見分ける練習がとても効果的です。

なので、ここからは練習問題を通じて能動/受動のどちらになるのかを判別していきましょう。

各問題の日本語訳を参考に動詞を現在分詞か過去分詞になおしてみて下さい。

これらの練習問題を解くことで現在分詞と過去分詞を見分けられるようになるよう工夫されています。

問題
( )内の動詞を適切な形に直すと、現在分詞と過去分詞のどっちになる?
補足解答解説は「+」ボタンを押すと見ることができます!

①I couldn’t hear my name (call).
(私は自分の名前が呼ばれるのが聞こえた)

解答解説①
「私の名前が呼ばれる」という受動関係なので、正解は過去分詞のcalledです。my nameがOでcalledがCです。第5文型のOとCの間には主語/述語関係があります。つまりMy name is called.という受動の関係です。もしMy name is callingの関係にしてしまうと、「私の名前が呼んでいる」となり意味が通じませんよね。

②(fall) leaves
(落ち葉)

解答解説②
fallは「落ちる」という意味です。もし現在分詞を選び、falling leavesとすると、現在分詞は能動/進行の意味を表すので、「今まさにハラハラと落ちている葉っぱ」という意味になります。過去分詞のfallenならば、受動/完了の意味を表すので、「落ち終わった葉」=「落ち葉」となります。従って過去分詞のfallenが正解です。

③A (drown) man will catch at a straw.
(溺れるものは藁をも掴む)

【語彙】straw(藁[わら])

解答解説③
drownは「溺れる」という意味です。「今まさに溺れている人が藁を掴む」わけですから、能動/進行の意味のdrowningが正解です。つまりA man is drowning.(人間が溺れている)という関係です。

④I have never heard English (speak) so quickly.
(私は英語がそんなに早く話されるのを聞いたことがない)

解答解説④
④は第5文型でEnglishがO、(speak)がCです。「英語が話される」という受動の関係なので、spokenが正解です。つまりEnglish is spoken.(英語が話されている)の関係です。

⑤A (roll) stone gathers no moss.
(転がっていく石は苔を生じない)

解答解説⑤
「転がっていく石」という訳語から、能動/進行の意味が読み取れます。従ってrollingが正解です。つまりA stone is rolling.という能動関係ですね。

付帯状況のwith

with O C」の形を付帯状況のwithといいます。Cには分詞を置いて、with O 分詞という形になります。

OとCの間にはS+Vの主語/述語関係が成り立ち、「OがCする」という関係なら現在分詞をCに置き、「OがCされる」という関係ならば過去分詞をCに置きます。

さっそく例文で確認していきましょう。

(例文1)He sat in the chair with his legs crossed.(彼は足を組んで椅子に座った)

付帯状況のwithを日本語にするときは「OをCしながら」と訳します。(例文1)の場合、his legsがOでcrossedがCなので、「足を組んで」という意味になります。

His legs is crossed.という受動の関係ですね。

(例文2)She stood with her arms folded.(彼女は腕を組んで立っていた)

【語彙】fold(組む)

her armsがO、foldedがCです。with her arms foldedで「腕が組まれた状態で」という意味になります。

Her arms are folded.という受動の関係です。

(例文3)Don’t speak with your mouth full.(口をいっぱいにして話してはいけませんよ)

「with O C」のCには分詞ではなく普通の形容詞がくることもあります。Your mouth is full.の関係性ですね。

感情動詞

英語圏と日本語圏では感情のとらえかたが正反対です。わたしたち日本人は「感情はひとりでに湧いてくるもの」という認識ですが、英語では、「感情は向こうからくるもの」という考え方をします。

そのため、例えば、interestは「興味を持たせる」という意味です。ですから、「私はその本に興味を持っている」を英訳すると、I am interested in the book.と受動態の形になるのです。

このように、感情動詞の場合、日本語訳は能動態なのに、英語は受動態になる点に要注意です。

感情動詞と分詞の使い分け

しかし、そんな感情動詞も難しくはありません。以下のルールを使えば、現在分詞を使うべきか、過去分詞を使うべきかを簡単に見分けることができます。

  • SVCのSが<人> ⇒ 過去分詞
  • SVCのSが<物> ⇒ 現在分詞
(例文1)I was surprised to hear the news.(そのニュースを聞いて驚いた)

SVCの第2文型で、Sが<人>なので、surprisedと過去分詞が使われています。簡単ですね。

(例文2)This book is exciting.(この本はエキサイティングだ)

SVCの第2文型で、Sが<物>なので、excitingと現在分詞になっています。

第5文型(SVOC)のCに感情動詞がくるときは、「OとCの間にはS+Vの主語/述語関係がある」ということを想い出せば簡単です。

以下のルールにあてはめれば、現在分詞と過去分詞を見分けることができます。

  • SVOCのOが<人> ⇒ Cは過去分詞
  • SVOCのOが<物> ⇒ Cは現在分詞
(例文3)Her lecture made me bored.(彼女の講義は私を退屈させた)

boreは「退屈させる」という意味の感情動詞です。(例文3)は第5文型でOはmeです。つまり<人>です。ですからCにはboredと過去分詞がきます。

(例文4)I found the book interesting.(その本は面白かった)

Oはthe book、すなわち<物>です。ですからCにはinterestingと感情動詞の現在分詞がきます。

練習問題-厳選5題-

分詞の練習問題を厳選して5題用意しました。この練習問題を解くことで解説への理解がグッと深まるはずです。是非参考にしてみて下さい。

なお「+解答解説」ボタンを押すと答えを見ることができます。

1.The(  )to the students were very difficult.

①given tests ②giving tests ③tests given ④tests giving

解答解説1
大学入試共通テスト(旧・センター試験)からの出題です。全訳は「生徒に与えられた試験はとても難しかった」です。「与えられた」という受動の関係からgivingは除外できます。また分詞が複数の語のカタマリになるときは、名詞を後ろから修飾するので、”The tests given to the students”という語順になります。従って③tests givenが正解です。ちなみに関係代名詞でこの文を書き換えると”The tests (which were) given to the students”となります。関係代名詞の詳細については【図解】関係代名詞の使い方|苦手でも20分で理解できる!を参考にしてみて下さい。

2.If the pain in your throat becomes worse, have it(  )at once.

①check ②checking ③to check ④checked

【語彙】throat(のど)

解答解説2
大学入試共通テスト(旧・センター試験)からの出題です(改題)。全訳は「もし喉の痛みがひどくなるようであれば、すぐに診てもらいなさい」です。空所の前のitの意味を最初に確認します。文意から”it = your throat”(あなたの喉)ですね。それが「チェックされる」わけですから、受動の関係であることが読み取れます。また空所の直後にcheckの目的語がないことも受動関係を見抜くヒントになりますね。さらに使役動詞のhaveは「OにCさせる」という意味になり、<C>には原形不定詞(動詞の原形)分詞がきます(詳細⇒第5文型における使役動詞と原形不定詞)。本問の場合は受動関係が判明しているので、過去分詞である④checkedが正解です。

3.We arrived at the company at the appointed time, but they kept us(  )for an hour.

①have waited ②to wait ③waited ④waiting

解答解説3
近畿大学の過去問です。全訳は「私たちは約束の時間にその会社に着いたが1時間も待たされた」です。「待たされた」という文意から受動の関係である③waitedを選びたくなりますが、これは間違いです。<O>のusと<C>の( )の間には、「私たちが待つ(We are waiting)」の関係があるので、能動の関係と考えます。従って④waitingが正解です。

4.I heard my name(  )in the waiting room.

①call ②called ③calling ④to call

解答解説4
関東学院大学の過去問です。全訳は「待合室で自分の名前が呼ばれるのが聞こえた」です。”my name”と”call”の関係性を考えてみると、「私の名前が呼ばれる(My name is called)」の受動関係だと簡単にわかります。またcallは通常、他動詞なので( )の直後に目的語となる名詞がないことも受動の関係を見抜くヒントになります。従って正解は②calledです。

5.Making movies is an(  )job.

①excited ②exciting ③excite ④excitedly

解答解説5
亜細亜大学の過去問です。全訳は「映画製作はとても面白い仕事だ」です。exciteは「興奮させる」という感情動詞です。SVCの第2文型で<S>が「物」ならば感情動詞は現在分詞になります。従って②excitingが正解です。なお第2文型で<S>が「人」ならば感情動詞は過去分詞になります。I am interested in making movies.(私は映画製作に興味がある)

まとめ

ここまで読んで下さりありがとうございます!現在分詞と過去分詞の基礎知識と見分け方をお伝えしてきました。この記事が少しでも多く、読んで下さった方の英語学習のお役に立っていれば幸いです!

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