英語の現在時制とは?5つの用法をわかりやすく解説

現在時制のイメージ図 時制

英語の塾講師や家庭教師の経験を元に「現在時制」をわかりやすく解説しました。大学入試はもちろん、TOEICや英検の文法問題対策にも役立つよう工夫しました。練習問題も5題ほど掲載しているので、是非参考にしてみて下さい。

現在時制とは?

What do you do?」の”答え”として正しいものはどちらでしょうか?

①I am a high school student.
(私は高校生だ)

②I am studying English now.
(私は今英語を勉強している)

正解は①です。

「What do you do?」は「今この瞬間していること」ではなく、「過去・現在・未来に共通してしていること」を聞いているからです。

このように英語の現在時制は、「現在」だけではなく、「過去」や「未来」も含む幅広い時制なのです。

現在時制のイメージ図

つまり①の「I am a high school student.」は「昨日も今日も明日も高校生だ」ということを表しています。

(例文1)I go to school every day.(私は毎日学校へ行く)

(例文1)は「昨日も今日も明日も学校へ行く」という意味ですね。

(例文2)I live in Tokyo.(私は東京に住んでいる)

(例文2)も「昨日も今日も明日も東京に住んでいる」という意味です。

ポイント英語の「現在時制」とは昨日・今日・明日と安定的に変わらないこと

さて英語の現在時制には5つの用法があります。

  1. 現在の習慣
  2. 現在の状態
  3. 不変の真理
  4. 確定未来
  5. 時や条件を表す副詞節

以降ではこれらを順番に解説していきます。

補足とくに「⑤時や条件を表す副詞節」は非常に大切なポイントなので詳しく解説しました!

①現在の習慣

現在時制では、昨日・今日・明日にわたって安定的に行われている習慣を表します。

(例文)I work for the company.(私はその会社で働いている)

この例文でも現在時制は「昨日もその会社の社員だったし、今日も社員だし、明日も社員だ」という「現在の習慣」を表しています。

②現在の状態

I like reading books.(私は本を読むのが好きだ)

現在の状態は職業住所趣味などを表します。これも、昨日・今日・明日と安定的に変わらないものですね。

③不変の真理

不変の真理とは「いつの時代も変わらないルール」や「ことわざ」のことです。

(例文1)Oil floats on water.(油は水に浮く)
(例文2)Time is money.(時は金なり)[ことわざ]

④確定未来

現在時制でも未来の内容を表すことができます。「暦・時刻表であらかじめ決まっていること」や「決定済みの予定」は未来のことでも現在時制で表すことができます。

(例文1)Tomorrow is Sunday.(明日は日曜日だ)
(例文2)The president goes to Tokyo next Monday.(大統領は来週の月曜日に東京へ行く)

⑤時や条件を表す副詞節

ここからは、「時や条件を表す副詞節では、未来のことでも現在形で表す」という超重要ルールを解説していきます。

副詞節とは「SVのカタマリ」が「副詞」の役割をすることです。

(例文1)I will tell you about it, when you come home.(あなたが家に帰ったら、それについて話すつもりだ)

主節とは意味の中心となるSVのカタマリのことです。まずは主節と副詞節を見分けるところからはじめましょう。(例文1)を主節と副詞節にわけて考えてみます。

  • [主 節]I will tell you about it
  • [副詞節]when you come home

この副詞節が時や条件を表すときは、「when you come home」のcomeのように未来のことでも、現在形で表します。

今度は「条件」を表す副詞節中で未来のことが現在形で表されている様子を見ていきましょう。

(例文2)If it rains tomorrow, I will stay at home.(もし明日雨が降れば、家にいるつもりだ)
  • [主 節]I will stay at home
  • [副詞節]If it rains tomorrow

「If it rains tomorrow」のrainsように条件を表す副詞節でも未来のことを現在形で表します。

しかし、次の例文のように、ifやwhenが名詞節を導くときは、この法則の例外です。

補足名詞節とはSVのカタマリが「名詞」になること!

(例文3)I don’t know when he will come.(彼がいつ来るのか知らない)

「when he will come」は名詞節としてknow目的語(O)になっています。そのため未来のことをそのままwillを使って表しています。図解すると下図のようになります。

whenが導く名詞節の図解

またifが名詞節を導く場合は「~かどうか」という意味になります。

(例文4)We don’t know if he will come back to Japan again.(彼が再び日本に戻ってくるかどうか私たちにはわからない)

「if he will come back~」は名詞節としてknowの目的語になっています。

ifが導く名詞節の図解

なお、「時や条件を表す副詞節」を導く接続詞にはwhen・if以外にも下記のような種類があります。

時を表す接続詞

  • till SV(SがVするまで)
  • until SV(SがVするまで)
  • by the time SV(SがVするまでに)
  • as soon as SV(SがVするとすぐに)
  • after SV(SがVした後に)
  • before SV(SがVする前に)

条件を表す接続詞

  • unless SV(もしSがVでなければ)
  • in case SV(もしSがVならば)

練習問題-厳選5題-

「現在時制」の練習問題を厳選して5題用意しました。ここまでの解説をより深く理解するために是非参考にしてみて下さい。

なお「+解答解説」ボタンを押すと答えを見ることができます。

1.I usually(  )home at around eight o’clock.

①leave ②am leaving ③will leave ④will be leaving

解答解説1
学習院大学の過去問です。全訳は「私はふつう8時頃に家を出る」です。usually(通例、普通)があることから、「現在の習慣」と考えます。従って、現在形の①leaveが正解です。

2.Water(  )at 100℃.

①boils ②is boiling ③was boiling ④used to boil

解答解説2
上智大学の過去問です(改題)。全訳は「水は100℃で沸騰する」です。文意「水は100℃で沸騰する」は不変の真理(いつの時代も変わらないルール)です。不変の真理は現在形で表すので、①boilsが正解です。

3.When I(  )at the airport, I will call you back.

①will arrive ②arrived ③would arrive ④arrive

解答解説3
流通経済大学の過去問です(改題)。全訳は「空港に着いたら、折り返し電話するつもりだ」です。このwhen節は「時を表す副詞節」なので、空所には現在形がきます。従って②arriveが正解です。

4.日本語訳を参考に( )に最も適した選択肢を選ぶとどれになる?

“Is Bill still using your car?”
(ビルはまだあなたの車を使っているの?)
”Yes, I wonder when he(  )it.”
(そうなんだよ、いつ返してくれるのかなと思っているんだ)

①has returned ②returned ③returns ④will return

解答解説4
大学入試共通テスト(旧・センター試験)からの出題です(改題)。whenを見たらすぐに「時を表す副詞節!」と考えてはいけません。”when”は副詞節の場合と名詞節の場合があるからです。本問では「when he (  )it」が名詞節として、wonder(~かなと思う)の目的語になっています。名詞節の中では未来のことは、そのままwillを使って表して良いので、④will returnが正解です。

5.The man decided to wait at the station until his wife(  ).

①came ②come ③has come ④will come

解答解説5
大学入試共通テスト(旧・センター試験)からの出題です。全訳は「その男性は妻が来るまで駅で待つことにした」です。until(~するまで)whenと同じく「時を表す副詞節」を導く接続詞です。但し、主節の動詞”decided”の影響を受けるので、過去形の①cameが正解です。このように主節の動詞が過去形のときに、従属節(じゅうぞくせつ)の動詞がその影響を受けて過去形や過去完了形になることを「時制の一致」と言います。時制の一致の詳細は「英語の時制の一致とは?5つの例外パターンも含めてわかりやすく解説」という記事を参考にしてみて下さい。

まとめ

現在時制の本質は「昨日・今日・明日と安定的に変わらないもの」です!そこから派生して5つの用法がありました。

  • ①現在の習慣→毎日のようにしていること
  • ②現在の状態→職業・住所・趣味
  • ③不変の真理→いつの時代も変わらないルール
  • ④確定未来→決定済みの予定
  • ⑤時と条件を表す副詞節中では未来のことでもwillは使わない!

ここまで読んで下さりありがとうございます!この記事が大学入試・英検・TOEICなどのお役に立てれば幸いです!

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