はじめに
「分詞構文がよくわからない」、「分詞構文を基礎からやりなおしたい」と思っていませんか。この記事を読めば分詞構文がすぐにわかるようになります。そして文法問題で高得点をとることができるようになります。
塾講師や家庭教師の経験を踏まえた上で、42冊の英文法の参考書を比較研究しました。
基礎~大学入試共通テスト(旧・センター試験)レベルまでの分詞構文を解説していきます。記事の終わりには練習問題も掲載していますので、あわせて参考にしてみて下さい。
分詞構文とは
【語彙】as[理由を表す接続詞](~なので)
簡単に言うと、(例文1)から接続詞のAsと主語のsheを消して、残ったstudiedを分詞(~ing)に書き換えた形が分詞構文です。
図解すると下図のようになります。
今回は「studied」→「studying」と現在分詞に書き換えましたが、”studying”の部分が、過去分詞になる場合もあります。
(例文2)が過去分詞ではじまる分詞構文です。なぜSeenになっているかというと、「街が飛行機から見られると、その街は・・・」という受動の関係になっているからです。
つまり、元の文は、”When it was seen from the plane, the town … pretty.”という形だったわけです。
この様子を図解すると下図のようになります。
さて、(例文1)では接続詞のAsが、(例文2)では接続詞のwhenが省略されていることから、分詞構文は「理由」や「時」を意味することがわかります。
また分詞構文は元々は副詞節なので、副詞句として文の好きな場所に置くことができます。
補足副詞節とは副詞の役割をするSVのカタマリのこと!副詞句とは複数の語で1つの副詞になるようなカタマリのこと!【語彙】go downstairs(階下へ降りる)
※階下 = 下の階
分詞構文は副詞のカタマリなので文頭だけではなく、文中・文尾にも置くことができます。(例文3)は分詞構文が文中に置かれた形です。
念のため、分詞構文が文尾にくるパターンも例文で確認しておきましょう。
【語彙】old(懐かしい、昔の)
(例文4)では分詞構文が「付帯状況(~しながら)」を表しています。ここで分詞構文が表す意味をまとめると以下のようになります。
- 時(~して/~すると)
- 理由(~なので)
- 条件(~ならば)
- 譲歩(~だが)
- 付帯状況(~しながら)
(例文5)は「譲歩(~だが)」を表しています。この例文のポイントは「接続詞が省略されずに残されている」ことです。譲歩の分詞構文では分詞の前にthoughまたはwhileを置きます。
補足whileにも「~だが」という譲歩の意味がある点に注意!分詞構文の応用
ここからは英語の文法問題に対応できるよう、より実践的な分詞構文の知識を解説していきます。
分詞構文の否定
notなどの否定語は分詞の直前に置きます。
文頭のNotが現在分詞のknowingを否定しています。which+名詞+to doは(どの[名詞]を~すべきか)という名詞句です。which course to takeが名詞としてknowingの目的語になっています。
補足名詞句とは複数の語のカタマリが1つの「名詞」になること!分詞構文で主節より前の時を表す場合
分詞構文の内容が主節より以前の「時」を表す場合、having+過去分詞を使います。
補足「主節」とは意味の中心となるSVのカタマリのこと!「テレビを見ること」よりも以前に「宿題を終えた」という関係です。この時間のズレを図示すると下図のようになります。
補足「大過去」とは「過去のそのまた過去」のこと!独立分詞構文
「独立分詞構文」などと言うと難しく聞こえますが、要は、分詞構文が導く副詞句と主節の主語が異なる場合のことです。分詞構文の主語が省略できるのは、分詞構文の主語と主節の主語が同じときだけなのです。
【語彙】consider(~を熟考する)
分詞の主語はAll things(全ての物事)です。つまりAll thingsが分詞の意味上の主語になっています。主節の主語はweです。このように分詞の主語と主節の主語が違う場合は、”All things”のように分詞の主語を省略せずにそのまま残します。
「全ての物事が考慮される」という受動の関係なので、過去分詞のconsideredがきている点に要注意です。
There be構文と分詞構文
There be構文を分詞構文にするとThere beingという形になります。必ずと言っていいほど出題される分詞の応用問題なので、「There be」→「There being」という変化を、そのまま暗記してしまうと良いでしょう。
分詞構文の慣用表現
generally speakingは分詞構文の代表的な慣用表現で「一般的に言えば」という意味です。
その他の分詞構文の慣用表現には以下のようなものがあります。熟語のように覚えてしまうと文法問題を解くときに便利です。
- considering~(~を考慮して)
- given~(~を考慮して)
- compared with~(~と比べると)
- strictly speaking(厳密に言うと)
- frankly speaking(率直に言うと)
- weather permitting(天気が良ければ)
- judging from~(~から判断して)
練習問題-厳選5題-
ここまでの解説への理解を確かなものにするために、良問5題を掲載しました。できるだけ詳しい解説をつけたので、是非参考にしてみて下さい。
なお、「+解答解説」ボタンを押すと答えを見ることができます。
1.The Bank of New York, ( )in 1784, is one of the oldest companies in the United States.
①to be found ②it was founded ③founding ④founded
【語彙】found(~を設立する)
2.( )from the plane, the beautiful landscape was really fascinating.
①Seeing ②Seen ③To see ④Having seen
3.( )a fine day yesterday, I took my son fishing.
①Being ②Having been ③It being ④It was
4.( )no bus service, I had to walk home.
①It have been ②Being ③It being ④There being
5.Mary’s birthday party will be held in the garden, weather( ).
①permits ②permitted ③permitting ④being permitted
【語彙】hold(開催する)、permit(許す)
まとめ
ここまで読んで下さりありがとうございます!基礎レベル~大学入試共通テスト(旧・センター試験)レベルまでの分詞構文の知識を解説してきました。この記事が大学入試・英検・TOEICなどのお役に立てれば幸いです!
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