和同開珎と富本銭の違い
以前は、元明天皇の708年に発行された和同開珎が日本最古の貨幣だと考えられていました。
しかし、奈良県の飛鳥池遺跡から富本銭が発掘されると、日本最古の貨幣は天武天皇の時代に鋳造された富本銭だと判明します。
ちなみに、富本銭が発行された正確な年号はわかっていません。
ただし、天武天皇の在位は673年~686年ですから、富本銭の鋳造は7世紀後半と考えることができます。
つまり飛鳥時代に日本で一番古いお金が発行されたわけですね。
一方、和同開珎は日本ではじめての流通を目的とした本格的な貨幣です。
これが和同開珎と富本銭の違いです。
和同開珎とは
和同開珎は元明天皇の708年に、武蔵国から銅が献上されたことをきっかけに、流通を目的として発行されました。
ちなみに和同開珎は唐の開元通宝をモデルとしています。
なお、和同開珎~乾元大宝までの12種類の貨幣を皇朝十二銭といいます。
蓄銭叙位令とは
しかし、みんな、なかなか和同開珎を使ってくれず、これに困った元明天皇と藤原不比等は、711年に蓄銭叙位令を出します。
蓄銭叙位令とはお金を貯めると位がもらえる制度ですが、みんな位欲しさにお金を貯め込むばかりで、和同開珎を流通させることはできませんでした。
こうして蓄銭叙位令は失敗に終わります。
大学受験での出題例
【過去問1】708年に武蔵国で銅が発見され、これをきっかけとして、( )と称する銀貨・銅貨が発行された。[学習院大]
【過去問2】和同開珎に先がけて、7世紀に発行されたと考えられる銭貨を( )という。[同志社大]
富本銭が登場する飛鳥時代が読むだけで面白いほどわかる!
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