【日本史B】旧石器時代のまとめ|一問一答付き

日本史

原始時代・旧石器時代の効率的な覚え方・暗記方法

この記事は定期試験・大学入試・歴史能力検定対策のための日本史まとめです。

「解説」→「一問一答」→「漢字練習」の流れで、原始時代/旧石器時代を完全習得できるようになっています。

一問一答形式の練習問題は下記のように大学入試の過去問が中心です。

例題①258万年前に始まった(  )世は地球全体で気候寒冷化が起こり、氷期・間氷期の交代が繰り返された。[早稲田大]

※「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認できます。

解答解説
正解は更新世こうしんせいです。更新世はとても寒い時期だったので更新世の別名を氷河時代ひょうがじだいといいます。また「更新世(氷河時代)=旧石器時代」です。ちなみに更新世は現代から約1万年前まで続きました。

さらに記事の最後には「付録:デカ文字で覚える要注意漢字」も掲載しています。例えばこんな感じの練習問題です。

例題②だせいせっき(旧石器時代に用いられた石器)

解答解説
打製石器

是非、当記事の「解説」→「一問一答」→「漢字練習」という三段構えの機能をフル活用して効率的に「原始時代/旧石器時代」を理解・暗記していただければと思います!

原始時代・旧石器時代の超わかりやすい解説

それでは原始時代/旧石器時代の解説を始めたいと思います!まずおさえておきたいのは混乱しがちな時代区分です。

時代区分の整理

地質学上の時代区分を更新世こうしんせいといいます。で、更新世の別名は氷河時代ひょうがじだい旧石器時代きゅうせっきじだいです。つまり「更新世(氷河時代)=旧石器時代」なんです。

旧石器時代というのは考古学上の時代区分です。そして旧石器時代の別名を先土器時代せんどきじだいといいます。つまり「旧石器時代=先土器時代」です。先土器時代というのは文化史上の時代区分です。

ですから、次の3つは同じモノなのです!

  • 地質学更新世(氷河時代)
  • 考古学旧石器時代
  • 文化史先土器時代

つまり、

更新世(氷河時代)=旧石器時代=先土器時代

というわけなんです。

原始時代は時代区分の仕方がたくさんあって混乱しがちなので、まずは時代区分の種類を整理しました。

さて、ここからが本題です。まずは更新世と氷河時代について確認していきましょう。

更新世と氷河時代

繰り返しになってしまいますが、更新世は非常に寒い時期だったので、別名、氷河時代とも呼ばれます。どのくらい寒かったかというと、海の水が氷ってしまうくらい寒かった。で、海の水が氷ると海面が下がるんです(これを海退かいたいという)。

すると、陸地が増えて、中国や朝鮮半島といったアジア大陸と日本列島が地続きになります。氷河時代はものすごく寒い氷期ひょうきと比較的あたたかい間氷期かんぴょうきが交互に繰り返されましたが、アジアと日本はほぼ陸続きでつながっていました。

そのため大陸から大型動物が陸橋りくはしを渡ってやってきます。から渡来したのがマンモスで、から来たのがナウマン象です。南方(ンポウ)から来た方がウマン象と覚えましょう。

旧石器時代の発見

更新世(氷河時代)=旧石器時代」でしたね。旧石器時代とは考古学上の分類です。つまり使われていた石器で時代を分けているわけすね。で、旧石器時代の「旧石器」とは打製石器だせいせっきのことです。打製石器とは石を打ち砕いた石器のことです。

で、更新世の地層から打製石器が見つかれば、「更新世(氷河時代)=旧石器時代」の日本にも人類がいたことがわかりますよね。打製石器が見つかるということは、それを使う人々がいた証拠ですからね。

実は、日本に旧石器文化があることが分かったのは戦後のことなんです。熱心な考古学青年であった相沢忠洋あいざわただひろ群馬県岩宿遺跡いわじゅくいせき関東ローム層という更新世の地層から打製石器の化石を発見します。これがきっかけで日本にも更新世の時代に人類がいたことが分かったわけです。

化石人骨

更新世の時代に人類がいたことを示すもう1つの証拠が化石人骨かせきじんこつです。で、化石人骨で一番テストに出るのが沖縄県港川人みなとがわじんです。約1万7000年前の人骨で、ほぼ完全な形で発見された点がすごいわけです。

同じく沖縄県で発見された山下町洞人やましたちょうどうじん山下人骨やましたじんこつ)もセットでおさえておきましょう。山下町洞人(山下人骨)は最も古いと考えられている化石人骨です。8歳程度の女児の人骨と推定されています。

あわせて、静岡県の浜名湖で発見された浜北人はまきたじんも重要です。浜北人は20代の女性の化石人骨と推定されています。

これは重要なポイントなのですが、日本で発見されている化石人骨はいずれも新人段階のものです。

旧石器時代と打製石器

さて、旧石器時代といえば打製石器が主に使われていた時代です。では打製石器とはどのようなものなのかというと、単純に石を打ち砕いた石器で、大きく4種類に分けることができます。

  • 握槌にぎりつち・・・様々な用途に使われた握斧あくふとも呼ばれる
  • ナイフ形石器・・・ナイフのように切断できる
  • 尖頭器せんとうき・・・刺したり突いたりする石器
  • 細石器さいせっき・・・木や骨に埋め込んで使用

旧石器時代というのはこうした打製石器を駆使して狩猟しゅりょうを行っていた時代というわけです。

一問一答機能で効率的に暗記する!
ここまでで高校日本史の範囲の旧石器時代の解説はいったん終わりです。以下では記事中で赤字で登場した日本史の重要用語を覚えやすいように一問一答形式の練習問題を設置しました。定期試験・大学入試・歴史能力検定対策として是非、活用してみて下さい。

※なお記事の最後には付録:デカ文字で覚える要注意漢字も収録しています。

一問一答で旧石器時代を完全習得!

大学入試の過去問を中心とした一問一答集です。「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認することができます。

1.今から数万年前、地質年代でいう(  )世の終わり頃は海水面が低く、日本列島は大陸と地続きだった。[早稲田大]

解答解説1
正解は更新世です。更新世は氷河時代とも呼ばれるほど寒く、海が氷って海面が下がっていました。そのため、アジアと日本は陸続きになっていました。

2.更新世は氷河時代ともよばれ、寒冷な(①)期と、比較的温暖な(②)期が交互に訪れた。[青山学院大・改題]

解答解説2
正解は①氷期ひょうき、②間氷期かんぴょうきです。

3.地質年代でいう更新世には、氷河期のため海水面が下がり、日本列島は大陸と陸続きになっており、南方系の(  )象などが渡来した。[慶応大・改題]

解答解説3
正解はナウマン象です。南方(ンポウ)からやってきたのがウマン象ですね。からはマンモスが渡来しました。

4.旧石器文化では(  )石器が用いられた。[京都大]

解答解説4
正解は打製石器です。旧石器時代(旧石器文化)とは考古学上の時代区分で、使われていた石器で時代を分けるのでした。旧石器時代(旧石器文化)の特色は打製石器が使われていたことです。

5.「日本には世界史でいう旧石器時代は存在しない」というかつての考古学上の通説は、(①)氏による群馬県の(②)遺跡の発見によって覆された。[慶応大・改題]

解答解説5
正解は①相沢忠洋あいざわただひろ、②岩宿いわじゅく遺跡です。戦後に相沢忠洋が岩宿遺跡の更新世の地層である関東ローム層から打製石器を発見したことで、更新世の時代にも人類が活動しており、旧石器時代が展開されていたことが明らかになりました。

6.現在までに日本列島で発見された更新世の化石人骨は、静岡県の(①)人、沖縄県でほぼ完全な形で発見された(②)人などいずれも(③)段階のものが多い。[慶応大・改題]

解答解説6
正解は①浜北人はまきたじん、②港川人みなとがわじん、③新人しんじんです。今のところ日本で発見されている化石人骨はいずれも新人段階のものです。

7.(  )人骨は、最も古いと考えられている化石人骨である。[関西学院大]

解答解説7
正解は山下人骨やましたじんこつです。沖縄県で発見された最古の化石人骨といえば山下町洞人やましたちょうどうじん(山下人骨)ですね。

8.旧石器時代、狩猟の道具としては切断機能をもった(①)石器や槍先形(②)器などが使用されていた。[青山学院大・改題]

解答解説8
正解は①ナイフ形石器、②尖頭器せんとうきです。ナイフ形石器は鋭利な部分で動物の皮や肉を切断するための打製石器です。一方尖頭器は木の棒の先に取り付けて槍先やりさきとして用いられたと考えられています。また様々な用途に用いられた打製石器として握槌にぎりつち握斧あくふも一緒におさえておきましょう。

9.旧石器時代の終わり頃には、小型の(  )を柄に埋め込んだ道具が用いられるようになった。

解答解説9
正解は細石器さいせっきです。細石器は旧石器時代の終盤に使われるようになった打製石器で、木や骨などに埋め込んで使い、刃こぼれなどを起こす度に、現代のカッターナイフのように刃先を交換することができました。

お疲れ様でした!一問一答集はこれで終わりです。

続いて、付録として「注意を要する漢字の練習問題」を掲載しました。デカ文字で要注意漢字を表記したので、書き取りの練習がしやすいのが特徴です。

付録:デカ文字で覚える要注意漢字

要注意漢字を含む日本史用語をまとめました。実際にメモ帳などに書き写しながら練習すると効率的に日本史用語をインプットできます。

問題次のひらがなを漢字になおすと?

1.だせいせっき(旧石器時代に用いられた石器)

解答解説1
打製石器

2.ひょうがじだい(更新世の別名、とても寒い時代)

解答解説2
氷河時代

3.あいざわただひろ(岩宿遺跡で打製石器を発見した人物)

解答解説3
相沢忠洋

4.にぎりつち(多用途に用いられた打製石器)

解答解説4
握槌

5.あくふ(多用途に用いられた打製石器)

解答解説5
握斧

6.せんとうき(槍先などに用いられた打製石器)

解答解説6
尖頭器

おわりに

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!繰り返し当記事の解説や一問一答を読み込むことで、日本史の知識が定着しますので、是非、この記事をブックマークして日本史学習の参考にして頂ければ幸いです!

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