高句麗好太王碑分の効率的な覚え方・暗記方法
概要
ヤマト政権の成立は4世紀前後といわれていますが、4世紀頃の日本の様子を物語る史料はほとんどなく、4世紀は「謎の世紀」と呼ばれています。この空白期間を知る貴重な手がかりが「高句麗好太王碑文」です。
この碑文には4世紀後半にヤマト政権が朝鮮半島に侵攻したことが記されています。侵攻の目的は「鉄資源の確保」と考えられています。ちなみに、百残とは百済のことですね。
効率的な覚え方・暗記方法
さて、この記事では高句麗好太王碑文を徹底的にわかりやすく解説していきます。日本史の定期テスト・大学受験・歴史能力検定に完全対応しています!
難関大の出題にも十分に対応できる内容です。
また記事の最後には下記のような一問一答を9題設置しました。是非、ご活用下さい!
例題高句麗好太王碑文に記されている「辛卯の年」とは西暦何年か?[立命館大・改題]※「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認できます。
「解説で理解→一問一答で暗記」の二段構えで是非、高句麗好太王碑文を完全習得して頂ければと思います!
高句麗好太王碑文の超わかりやすい解説
さて、ここからは「高句麗好太王碑文」を小分けにして丁寧に読み解いていきましょう!
高句麗好太王碑文とは
「高句麗好太王碑文」は414年に高句麗の好太王(広開土王)のお墓の入り口に立っている石碑で、建てたのは息子の長寿王です。高句麗の都があった丸都城(現在の中国の吉林省)にあります。
ちなみに、この碑文のように金属や石に刻まれた文章を金石文といいます。
好太王碑文の主な内容は「好太王の業績自慢」です(笑)。「ヤマト政権が朝鮮半島に攻めてきたが、好太王が見事に撃退した」と記されています。
では、早速ですが、好太王碑文の本文と日本語訳を確認していきましょう!
ポイント①百済・新羅と高句麗の関係
「百残、新羅は」とありまずが、これは百済と新羅のことですね。百残というフレーズは高句麗好太王碑文にしかないものなので、問題文中で「百残」を見たら「あ!好太王碑文だな!」と判断するようにしましょう。
で、朝鮮半島の南に位置する高句麗に百済と新羅が昔から朝貢していたと書いてあります。朝貢とは定期的にお土産を持って挨拶に行くことです。
さて、ここで、高句麗、百済、新羅の位置関係を確認しておきましょう。4世紀末~5世紀の朝鮮半島の勢力図です。
一番下の「加羅(伽耶)」は地域の名前であって国名ではありません。この地域は加羅(伽耶)諸国とも呼ばれ、いくつかの小国の集まりです。
『日本書紀』によればヤマト政権は伽耶諸国に任那日本府という出先機関を設置して、強い影響力を及ぼすと共に、この地域を朝鮮半島進出の足がかりにしていました。但し現在では任那日本府の存在を疑問視する説もあります。
では史料に戻ります。
ポイント②ヤマト政権の朝鮮侵攻
「辛卯の年」とは西暦391年のことです。この年、倭(ヤマト政権)は鉄資源の確保を目的に、伽耶諸国(加羅)を足がかりとして、まずは百済や新羅と交戦したようです。
ちなみに■の部分は碑文から消えてしまって読み取れない文字です。
ポイント③高句麗の大勝利!?
好太王(広開土王)の大活躍が描かれている部分ですね。好太王碑文の記述が正しければ、ヤマト政権は百済・新羅には勝った。けれども高句麗には負けてしまったわけですね。
ここまでで、「高句麗好太王碑文」の解説は終わりです。ここからは一問一答集で知識を定着させていきましょう。大学入試の過去問を中心に9題の一問一答を設置しました。是非参考にしてみて下さい!
一問一答!9題
定期テスト・大学受験・歴史能力検定対策に役立つ一問一答集です。ここまでの説明をさらに深く理解できるよう、答えだけではなく解説にも力を入れました。
※「+解答解説」ボタンを押すと「解説」と「答え」を確認できます。
1.次の史料を読み、後の設問に答えよ。
「百残・新羅は旧是れ属民なり。由来朝貢す。而るに倭、辛卯の年よりこのかた、海を渡りて百残・■■・■羅を破り、以て臣民と為す。」
問1.この史料の出典は( )である。[上智大]
問2.「辛卯の年」とは西暦何年か。[立命館大]
問3.この史料は( )王の功績を示す碑文である。[上智大・改題]
2.好太王の功績を示す碑が高句麗の都があった( )に建てられた。[上智大]
3.好太王碑を建てた広開土王の子は誰か。[立教大]
4.好太王の碑文には、( )の年(西暦391年)より倭が朝鮮半島に侵入したと記されている。[中央大]
5.好太王の石碑は、現在の中国の( )省にある鴨緑江流域におかれている。[専修大・改題]
6.ヤマト政権は( )資源に関心を持ち朝鮮半島に侵攻したと考えられている。
おわりに
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!繰り返し当記事の解説や一問一答を読み込むことで、日本史の知識が定着しますので、是非、この記事をブックマークして日本史学習の参考にして頂ければ幸いです!
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