酒井千佳氏の告白

フリーアナウンサーで気象予報士としても活躍している酒井千佳氏が、幼い頃からアトピー性皮膚炎を患ってきたことを先週ブログで告白しました。

「告白|酒井千佳オフィシャルブログ」

そして、去年から始めた「脱ステロイド」などにより、現在は寛解状態となったそうです。

脱ステの方法としては、ステロイドを一気にやめる cold turkey ではなく、時間をかけて漸減していったとのこと。

ステロイド離脱に伴うリバウンドも経験しながら、その大変に辛い離脱症状を乗り越えることに成功したようです。

酒井氏は、脱ステロイドのみならず、さまざまな生活習慣の改善を試みたようですが、私は、脱ステロイドがきっかけとなって大きく改善した一例であると思います。

 

ともあれ、私は酒井氏のブログを読んで感嘆しました。

なぜなら、酒井氏が、自分の皮膚に今何が起きているのか、なぜそのような状態となっているのか、あらゆる情報を参考にしながらも、自らの頭で考えて、試行錯誤のうえ、自ら解決策を見出していったことが伺えるからです。

皮膚科医など専門家の指導のみに頼ると、ことアトピー性皮膚炎に関しては、専門家の標準的指導のすえ、シクロスポリン内服等に至って、のっぴきならない状態に追い詰められてしまう場合もあり、リスクが大きいのです。

 

ガイドラインを踏まえた標準治療に従うのはたやすく、皮膚科医のいう “正しい知識” を踏まえた治療を受けることはたやすいです。

“科学” や “エビデンス” を拠り所とする人たちの言うことは、何といっても多数派であるし、正しそうに聞こえます。そして、その声に従うことは、大樹によりそうようであり、自分で考える必要もないので、とても楽です。

一方で、標準治療が自分にとって本当に最善策なのかを自分で評価することは、”科学” や “エビデンス” から目を背けるようであり、不安を伴い、楽なことではありません。

ただし、アトピー性皮膚炎と呼ばれる疾患に関する “エビデンス” は、ほとんどが短期治療に関するもので、今のところ心もとないものです。

自分の皮膚症状を “正しい知識” によって評価するのではなく、今起きている「事実」に基づいて評価した結果、ステロイド漬けからシクロスポリン漬けへ至る道から逃れられる場合もあると思います。

 

私は、 “アトピー性皮膚炎” と診断されている症状の多くは、実のところ、ステロイド外用薬等の免疫抑制剤の副作用が表れているにすぎないものと考えています。

酒井氏のケースも同様で、氏がこれまで皮膚症状に悩まされてきた最大の原因は、ステロイド外用薬の使用にあったと推測します。

ステロイドへの依存状態に陥りながら、それをステロイドで上塗りすることで何とか抑えてきたけれども、もはや抑えきれなくなったというところではないでしょうか。

30代前半まで標準治療で持ちこたえたのですから、依存状態は強いものではなかったのかもしれません。そのため、長いステロイドの使用期間のわりには、離脱が比較的短期で済んだのかもしれません。

ところで、酒井氏が今後どんな治療を行うにしても、大きな悪化要因と考えられるステロイドから離脱していることは、大変なアドバンテージになるように思います。

間違っているかもしれませんが、例えば、ステロイドを塗りながらデュピクセントを使うことや、ステロイドを塗りながら温泉治療を行うことは、悪化要因を除かずに他の治療を上乗せしてごまかしているだけであり、大きな改善には結びつかない気がするからです。

なお、酒井氏は自身が試してきたさまざまな治療について書いていますが、すべての人に自分のやり方が当てはまるわけではないことをことわっています。

アトピーを完治させる治療法は
ありませんので

あくまでも私の場合の実例ということ

このように
改善するパターンもあるという認識で

読んでいただければ
嬉しいです。

ある方法で自分が良くなったとしても、同じ方法で他人が良くなるわけではないことを、いわゆるアトピー患者として、よく知っておられるのだと思います。

 

ともあれ、テレビに映る仕事をしているなかで、自身がアトピー性皮膚炎であることを告白することは本当に勇気がいることだったと思います。

また、皮膚科学会やメディアが標準治療を絶対的な治療とみなすなか、脱ステロイドに言及することは、さらに勇気のいることだったと思います。

酒井氏の寛解が長く続くことを祈ります。

 

さて、ステロイドへの依存に陥っている場合には、脱ステロイドは選択肢のひとつとなります。しかし、離脱時に激烈な悪化を伴うこともあり、標準治療を行う医師から不適切治療として批判されることがあります。

また、脱ステロイドを完遂できなかった患者は、脱ステロイドでひどい目にあったと主張することがあります。何か月、何年も脱ステをしたのに、悪化するばかりで結局良くならなかった、人生を無駄にしてしまったなどと訴えるのです。

ここで、脱ステロイドを批判する人たちに見てほしい経過写真があります。「書き残したこと 深谷元継」というサイトに掲載された皮疹の写真です。

離脱開始から完了までの経過が一目瞭然です。ここで注目したいのは、この患者は脱ステロイドを始めてから離脱に至るまで3年かかっているということです。

思うに、脱ステロイドに失敗した患者の多くは、この写真でいえば半年後や1年後のような状況に耐えられず、標準治療に戻っていったのではないでしょうか。

そして、そのような脱ステロイドに失敗した患者の状態をみた医師が、「やはり脱ステロイドは不適切な治療だ」などと声を荒げているのではないでしょうか。

しかし、その状態は脱ステロイドの途中経過であって、写真の患者のように時間をかければ離脱できた可能性もあるわけです。

脱ステロイドでは良くならないと決めつけることは、ステロイド離脱による大きな改善のチャンスを逃すことになるかもしれません。

 

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